ボーヌから30キロ、シャニー市の近くの丘に堂々と構えるシャトー・ド・クーシュは、中世の要塞で歴史的建造物に指定されています。見学のプログラムには、当時の衣装をまとったガイドによる案内やスペクタクル、演劇、ワイン試飲などが盛りだくさんあり、大人も子ども皆で楽しめます。

ブルゴーニュ大公たちのいにしえの要塞

この城はパリとシャロン・シュール・ソーヌを結ぶ道の警護にあたる要塞として、11世紀からブルゴーニュ大公が所有していました。数世紀に渡る歴史の中でその役割に変化も見られましたが、本来の防御としての特性に変わりはありませんでした。銃眼をのこぎり歯のように施した塔とドンジョンからの眺望は素晴らしいものです。城内では、ゴシック様式のチャペル、すまい、歩哨塔などを見学でき、とりわけ地下道は感動的です。

豆知識

シャトー・ド・クーシュは、マルグリット・ド・ブルゴーニュの城とも呼ばれています。若かりし頃、ブルゴーニュ大公の娘マルグリットはこの城でフランス国王サン・ルイの孫娘とよく一緒に過ごしていました。マルグリットはフランス国王になるルイと結婚し、のちに王妃になりながらも、過去の不倫の疑いからノルマンディーのシャトー・ガイヤールに監禁され死を遂げています。しかし、伝説では、夫ルイ10世の死後、資金と権力のあるブルゴーニュ大公国と王室との間に秘密交渉があり、マルグリットはシャトー・ド・クーシュに隠れて生涯を終わらせたと伝えられています。マルグリットの運命の城と言えるでしょう。