オーセール市とディジョン市の中間に位置し、シャブリからもほど近いブルゴーニュ運河沿いに佇むアンシー・ル・フラン城。歴史ファンや石造美術愛好家、そして家族連れには忘れがたい見学となることでしょう。

歴史

フランス王、フランソワ1世時代にイタリア人建築家セルリオによってこのイタリア・ルネサンス様式の宮殿は造られました。クレルモンのアントワーヌ3世の広大な庭園の中央に建てられたシャトーは、フランスはおろかイタリアにも類のない独特の作りをしています。彫刻が施された中庭はエレガントで、各部屋も豪勢、回廊は神話や宗教、戦争から題材をとった装飾が見事です。そして寝室や礼拝堂、格間天井、大理石の床……500年の歴史に触れられます!
17世紀末、シャトーはルーヴォワ侯爵の手に渡ります。侯爵はルイ14世の陸軍大臣を務めた人物で、アンシー・ル・フラン城をル・ノートルが温室と広大なフランス式庭園を設計したヴェルサイユ宮殿のように仕上げました。

他に類を見ない建築

アンシー・ル・フラン城は、昔の要塞をルネサンス様式のシャトーに改築したものではありません。フランソワ1世に寵愛されたイタリア人建築家、セルリオが16世紀に設計したこのシャトーは、世界を代表するルネサンス建築物です。その設計は正方形・左右対称で、彫刻・壁龕・アーチに囲まれた中庭は到着した者を圧倒します。
アンリ4世、ルイ14世、ルイ13世など多くのフランス王がこのシャトーを訪れています。

豆知識

シャトーは素晴らしい壁画のコレクションを所蔵しています。16世紀から17世紀のこれら作品はフランスでももっとも貴重なコレクションとされています。シャトーに出資したフランス王フランソワ1世とその息子アンリ2世は芸術好きで庇護者でもありました。このため、シャトーにはフォンテーヌブロー派の著名なイタリアとフランドル芸術家(フランチェスコ・プリマティッチオ、ニコロ・デッラバーテ、二コラ・ド・オエイなど)が部屋の装飾を手掛けています。その膨大さ、多様さには目を見張るばかりです!神話や宗教、戦争をモチーフにした作品、格子天井や木工細工、多色の床など他に類を見ません。
セヴィニェ侯爵夫人は、その書簡の中に「まるでイタリア衣装のよう」とこのシャトーについて書き残しています。 

500年の時を超えて 

5つ以上のアパルトマン、3つの回廊、礼拝堂、護衛の間、寝室、書斎、居間が公開されています(王の寝室、花の間、幻術の間、ユディットの間、パストゥール・フィドの書斎、メデの回廊など)。数々の美術品のうち、特にファルサルスの回廊は見逃せません。紀元前49年のカエサルの戦いを描いたこの壁画は長さ32メートルにも及ぶ大作で、つい最近全面的に修復作業を終えたばかりです。
2014年からは1階部分も一般公開されるようになりました。ディアナの間は息をのむような装飾にあふれています。. 

アンシー・ル・フラン城のイベント

エキスポジション、クラシックコンサートと見学、夜間見学、ワインやアンティークのイベントなどがシーズン中には開催されています。また、ルネッサンス風の衣装と玩具がお子様向けに用意してあります。

インフォーメーション
 

アンシー・ル・フラン城はフリー、もしくは団体、オーディオガイドでご見学いただけます。見学は城の内部のみ、もしくは50ヘクタールの庭園とセットの選択が可能です。 シャトーは城館の他に広大な厩舎、花壇、温室、フランス式庭園、イギリス式庭園(18世紀)、池、小川、小径と橋、樹齢100年を超える木々、馬場、ピラミッドなどを擁しています。城館の見学の後にゆっくりと散策してみてはいかがですか?
 
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