シトー修道院とそのワインの栄華

 たとえ今ではワインを生産しなくなっても、シャトー・デュ・クロ・ド・ヴージョは1千年近いブルゴーニュの歴史のシンボルであることに変わりはありません。
 12世紀、ブルゴーニュの領主たちの寄進でこの地を所有したシトー修道院の修道士たちはここでブドウを栽培していました。彼らが畑の周りに築いた石垣は、そのまま現代のAOCクロ・ド・ヴージョの境界線になっています。
 畑の真ん中に建設されたルネサンス様式のシャトーは、現在ワインの聖地となり、またふれあいの場となっています。 

 「ワインがあれば憂いなし」

 1934年にシャトー・デュ・クロ・ド・ヴージョはシュバリエ・ド・タストヴァン(ブルゴーニュ利き酒騎士団)の本部になりました。シュバリエ・ド・タストヴァンは、「ワインがあれば憂いなし」をスローガンにして、世界中にブルゴーニュワインを広める活動をしている由緒正しい団体です。
 シュバリエ・ド・タストヴァンは年に17回、シャピートルと呼ばれる晩餐会を主催しています。新シュヴァリエの叙任式とそれに伴う晩餐会では、ブルゴーニュの和やかな雰囲気のなか600人が古いワイン熟成庫で食事を共にします。ブルゴーニュ以外でも1万2000人のシュヴァリエたちがニューヨークやリオデジャネロ、そして東京で開催されています。

シャトー・デュ・クロ・ド・ヴージョの見学

シャトー・デュ・クロ・ド・ヴージョのうち、シトー修道院が12世紀に建てたワイナリー施設部分は公開されています。いずれも12世紀に建てられた4機の巨大なプレス機が残る醸造所と2000樽を収容できるワイン熟成庫、そして14世紀の梁が立派な修道士たちが寝泊まりした寝室などいずれも当時の姿を忍ばせます。

 

「Balades en Bourgogne」ユネスコの世界遺産を散歩


Balades en Bourgogne(バラード・アン・ブルゴーニュ、=ブルゴーニュを散歩)はシャトー・デュ・クロ・ド・ヴージョをナビゲートしてくれる新しいアプリです。
もう地図で確認したり、見学ポイントを探してさまよう必要はありません。このアプリは音声ガイドつき。著名なブルゴーニュのクリマについてや、生産者たちが畑の中に小屋を作った理由、なぜ石垣が築かれたのかなど、ジョージ・クルーニーが7kmにわたって解説してくれます。

このアプリでは次の4つのハイキングコースが設定されています。

・有名なシャトー・クロ・ド・ヴージョ周辺(7km)

・モレ・サン・ドニ村からスタートするグランクリュのハイライト(6km)

・ペルナン・ヴェルジュレス村からスタートするコルトンの丘(6km)

・サントネイ村の山々(11km)

Balades en BourgogneApp Store もしくは Google Play から無料でダウンロードできます。